南山城学園職員インタビュー

どこまでもまっすぐな現場の声
page top

フクシをこえてけ座談会

福祉について、本気で語りあいました

遠慮なし。タテマエなし。結論なし。
3人の若手職員が語る、フクシをこえてくホンネトーク。

メンバープロフィール
  • 朝子 聖衣奈さん生活支援員/2017年入職/障害者支援施設

    福祉業界を志したきっかけは、高校生のときに参加した特別支援学校のボランティア。「自分や家族が利用したくなる施設とサービスか」という基準で就活を行い、南山城学園へ。現在は施設のフロアリーダーとして、支援の質の向上や業務改善を推進している。

  • 小西 佑弥さん生活支援員/2017年入職/障害者支援施設

    法学部在学中に、障害者支援サークルへ入部。興味本位で南山城学園のインターンシップへ参加したものの、信念をもつ先輩職員の姿に感銘を受け、本格的に福祉の道へ。現在の主な仕事は、堆肥づくりの責任者として利用者さまをサポートしている。

  • 佐古田 美穂さん生活支援員/2019年入職/障害者支援施設

    「福祉とは何か」という探究心から、福祉を学べる大学へ。人に寄り添い、根拠ある支援を行う南山城学園の姿勢に共感し入職を決意。現在は就労支援を主に担当しており、利用者さまにとってのよりよい作業環境づくりに取り組んでいる。

  • 「福祉」が「福祉」の誤解を生んでいる「福祉」が「福祉」の誤解を生んでいる
    佐古田:小学校6年生のときに、「盲導犬クイールの一生」という本を読み、そこで初めて「福祉」という言葉に出会いました。意味がわからなかったので調べてみると、「誰もが幸せになる街づくり」のような意味のことが書いてあり、じゃあ一体、誰もが幸せになる街ってどんな街?という疑問が生まれ、「福祉」をもっと知りたいと思うようになりました。

    小西:今って、「福祉」=「福祉の仕事」という意味になっていると感じませんか?僕は、本来「福祉」はそういう枠組みではないと思っています。生きているすべての人は、福祉の仕事をしていなくても、どこかしらで福祉に関わっています。なぜなら「福祉」のもともとの意味は、佐古田さんも言ったように「幸せに生きようとすること」そのものだから。そう思えば、どんな仕事をしている人でも福祉にふれているんですよね。

    朝子:「福祉」って聞くと、障がいのある人を“助けてあげる”とか、できないことをお手伝い“してあげる”ということが一般的なイメージとしてあるのかもしれません。でも本当は、障がいのある方や高齢の方の日常生活に私たちが入らせてもらい、その人にとって必要なサポートをするというもの。もちろんそこには人それぞれの生活があるわけなので、「福祉の仕事として、こういう人にはこういうサポート!」と決めてしまうのは違う気がしますね。

    佐古田:「こういう障がい特性のある方には、こうすればいい」といった、マニュアル的な支援をしている法人を就職活動中に目の当たりにしたことがあり、これは私が探求している福祉とは違うと思いました。いっしょに暮らしていく、ということ自体が、私たちの仕事とも言えます。でもそれを「福祉」と呼んだ瞬間に、一般的な固定概念のなかに閉じ込められてしまうような葛藤もあります。

    小西:既存の福祉のイメージをこえたところにあるのが、現在の福祉の仕事。そのことがもっとフラットに社会に広がっていけばいいなと思います。
  • 環境をコーディネートするクリエイター?環境をコーディネートするクリエイター?
    朝子:利用者さまにとって施設は、家でもあるし、生活をしていく場所そのものです。だから私は、もし自分が利用するならどんな施設で生活したいか、ということを日頃から意識しています。住む場所はキレイでおしゃれなほうがいいし、関わる人はやさしいほうがいいでしょう?自分なら、ふらっとコンビニに行きたい。ラーメン屋さんにも行きたい。そういう何気ない意思の連続が生活じゃないですか。排泄の介助を思い浮かべて「自分にはできない」と言われることもありますが、人ってトイレのことばかり考えて生活しているわけじゃない。何かを楽しみにしたり、誰かを想ったりするぜんぶが生活だし、人生です。利用者さまの意思を大切にして、どれだけ生活を自由にできるかが、私たちの仕事なのかなと思います。

    佐古田:私は就労支援に携わっていますが、利用者さまの作業をダイレクトにサポートするだけではなく、“作業しやすい環境を整えること”も支援だということがわかってきました。たとえば、提携している業者さんといい関係をつくることも、大切な支援の一つと言えます。なぜなら、業者さんとの信頼関係を築くことで、納期調整などがしやすくなり、結果、利用者さまの仕事のやりがいや達成感につながるからです。このような、利用者さまとは直接関係のないところでの動き、つまり環境をコーディネートすることも、福祉の重要な仕事なんだと思うようになりました。

    朝子:利用者さまのためになることなら、一見業務とは関係ないようなことでも大切な仕事になりますよね。誰のためなのか、何のための支援なのか。そこのところの考えをしっかり持っておかないと、大切なことを見失ってしまう仕事かもしれません。

    小西:福祉の仕事は、とてもクリエイティブなものだと感じています。実際の支援より、支援をするための準備段階で、職員同士でアイデアを出しあい、実施に向けていかに完成度を高められるかが重要。それにより、利用者さまの反応も変わってきます。利用者さまのできることが増えたり、苦手なことが減る環境をどうつくりだすかを考えること。そういう仕事でもあると思います。
  • 一人ひとりの、違う視点をミックスする一人ひとりの、違う視点をミックスする
    朝子:南山城学園には、小西さんのような法学部出身者や工学部を卒業した人、元パティシエ企業からの転職まで。さまざまな分野から人が集まり、それぞれの経験を生かした視点から支援にアプローチしていけるのは大きな特徴の一つですよね。

    佐古田:人それぞれ、異なる視点が集まっているからこそ、一人ひとりに合った支援が生まれるのかなと思います。職員それぞれの試行錯誤がしっかり反映されながら、利用者さまの生活を支えている感覚があります。「まぜるな危険」の逆、いろんな価値観をまぜることで新しい支援をつくっていくのが、南山城学園の魅力なのではないでしょうか。

    小西:多角的な視点から、新しい福祉のかたちが生まれていくのは確かなことだと思います。僕のように異分野を学んでいた職員もたくさんいますし、学生さんもいろんな学部から来てもらいたいですね。
  • とんでもないほど嬉しい仕事であることを伝えたいとんでもないほど嬉しい仕事であることを伝えたい
    朝子:福祉に携わることの楽しさが、まだまだ人に伝わっていません。そのことは福祉を知る人と知らない人の両者にとって、もったいないなぁと感じます。

    小西:人の人生にここまで深く関わることができる仕事って、なかなかないと思います。こういう人生もあるんだと、日々勉強させていただいて、じゃあ僕らはこの人生にどうアプローチすべきなのかを考える。僕らといっしょに生活することで、利用者さまには心から幸せを感じてもらいたい。その気持ちにはもう福祉がどうとかこうとか、そういうのは関係ないのかもしれません。

    朝子:そうですね。人との関係づくりに、障がいのあるなしや年齢は関係ないですもんね。嬉しいときはとびきりの笑顔で。悲しいときは泣きじゃくる。そんな利用者さまの嘘のない反応に、人として生きていくうえで本当に大切なことを教えてもらっています。幸せをもらっているのは、私自身なんですね。

    佐古田:利用者さまの幸せな人生のために何ができるか。その一つひとつの気づきが、今ある福祉の概念をどんどんこえていき、その先にはまた新たに、こえてみたい福祉のかたちがあるのかなと思います。

    朝子:最終的には、「福祉」なんてなくてもみんなが幸せに生きられる。それがいちばんの、理想のかたちなのかもしれませんね。
page top
page top