職員インタビュー
伝えようとする人の、
ほんとうの気持ちに
よりそえる人へ。

2022年入職
家政学部 生活福祉学科 卒業
職種:生活支援員(障害者支援施設 魁)
なにげない会話の、ちいさな感動。

障害福祉での生活支援員の主な仕事は、利用者さんの日常生活全般をサポートすることです。食事や入浴の介助もそうですが、悩みごとがあればお話を聞いて一緒に悩んだり、天気のいい日にはいっしょにお散歩をしたり。室内でみんなでゲームをする日もあれば、日帰り旅行をする日もあります。雇用契約をしている地域の企業へ働きに出る利用者さんもおられます。そんな1日いちにちを安心して過ごすために必要なすべてのことが、生活支援員の役割だと考えています。「髪切った?」「元気ないの?」「誕生日おめでとう」。暮らしをともにするなかで、利用者さんはいろいろな話をしてくれます。なんでもない日常会話ですが、私の些細な変化にも気づいてくださることが、日々のちいさな感動です。職員が利用者さんをみているように、利用者さんも職員をみてくれているんだなぁと。
くみとれる人に、なりたくて。
障害福祉で働きたいと思ったのは、大学の実習で、利用者さんとやりとりをする職員さんの姿に憧れて。ある日、利用者さんが「かえる」と話されたとき、職員さんが「かえる」の一言について、蛙?帰る?変える?など、いろいろな意味の「かえる」について考え、利用者さんが何を伝えようとしているのかを、真剣に考えている姿に感銘を受けました。結局は「緑色(蛙色)のコップでお茶を飲みたかった」ということだったのですが、ご本人が伝えようとする姿と、それをくみとろうとする職員さんの姿。状況やおかれた環境によってその言葉の奥まで感じとることがとても興味深く、私も利用者さんの気持ちをくみとれる人になりたい!と思うようになりました。入職してから毎日、利用者さん一人ひとりと挨拶することに決めています。「おはよう」というワンフレーズの言葉からも、利用者さんのちいさな変化やメッセージをくみとれるよう心がけています。

支援の時期を早めたら、
今より生きやすかったということ?

現在、スーパーローテーションという、1年ごとに施設を異動する制度でさまざまな経験を積ませていただいています。青年期、高齢期の障害福祉の経験を通じて、ゆくゆくは障害児支援の道を極めたいと考えるようになりました。たとえば、青年期以降の利用者さんによくみられるのが、何かがほしいときに、そのことをうまく伝えられなくて、物を壊したり奪い取ったりして表現をすること。これらの行動は、過去に「ほしいものをうまく手に入れられなかった」という苦い思い出が背景となっていることが多いんです。だとするならば、児童の頃から「こうすれば、ほしいものが手に入る」という方法を伝える支援ができれば、後々の人生がもっと生きやすくなるんじゃないかと。そういうところにアプローチしていきたくて、まずは保育士資格を取得したく、勉強しているところです。

あたりまえなんてない。
だから、人っておもしろい。

利用者さんとお話していると、自分になかったものの見方や感じ方に気づかされることがたくさんあります。利用者さんに限らず、自分にないものや、相手と違うことを知る。それが、人に向きあうおもしろさじゃないかと思います。だから私は、“あたりまえが、あたりまえにならない職員”でありたい。この人はこうだからと、あたりまえの認識をもちすぎると、いつか大事なことを見逃す気がするからです。たとえ同じ言葉でも、行動でも、いつも通りなんてないという姿勢で、誠実に人に向きあうこと。悩みながら、たのしみながら、そういうスキルを、これからもっと身につけていきたいです。

いっしょに向きあい、
よりそえる。
そんな仲間と
会える日を
楽しみにしています。
