これは、リハビリで作業活動に取り組んでいただいている一場面です。
元々手先を使う仕事をされていた職人であったとの情報や、
以前入院されていた病院でのご様子などの情報を統合し課題の提供を行っています。
当初はリハビリの必要性をお話しても、受け入れはイマイチ。
何か取り組んでいただける課題はないかと、
リハビリに取り組んでいただけるきっかけがないかを探しました。
そんな中で見つけたものが、木片をやすりがけし、造形していただく課題。
課題に取り組み始めると、やはりそこは元職人。
細部へのこだわり、微妙な角度の調整など、随所にこだわりがみられました。
しかし、「自分のやりたいもの」ではなく
「課題としてさせられているもの」というご様子。
そんな日々の中で聞かれるようになったのが
「最近いいモチーフがないか探してるんや」
と新聞やチラシに目を通しておられる際の呟きでした。
そしてついに先日「…これ作ってみようかな」と見せていただいたのは、
今年の干支の丑をモチーフにした像でした。
受け身の姿勢から、ご自身から何かを始めようとされる姿勢の変化。
それは私たちの生活でも見習うべきこと。
日々の業務の中で、その人らしさに触れ、多くのことを私たちも学ぶことができます。
それがこの仕事の素敵なところだなと感じます。
(生活支援員 里見千尋)
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リハビリの課題探し